リュウキュウアイはインド~インドシナ、中国、台湾に分布する多年草です。九州南部~琉球では栽培され、野生化しています。以前に紹介したオキナワスズムシソウ (リンク)と似た姿をしていますが、花の色が桃色であること、葉にインジゴを含むために乾かすと濃藍~黒色になるところがオキナワスズムシソウとは異なります。日本での藍染めは主にタデ科のアイ(タデアイ、Persicaria tinctoria (Aiton) Spach)が用いられますが、リュウキュウアイは沖縄から中国南部、東南アジアの藍染めに利用されます。
リュウキュウアイの花は頂生または腋生する短い穂状花序をつけます。花の大きさは直径2㎝くらいです。1か月くらい前から通常の葉と異なる小さな葉が出ていたので、もしかしたら花ではないかと期待していましたら今までに見たことのない花をつけました。
「改訂新版 日本の野生植物」にあるように、日本での栽培株の開花はまれです。山科植物資料館で栽培している最も古いリュウキュウアイは1969年に導入したものですが、一度も咲いたことはありません。今回開花したのは2015年に昭和薬科大学からいただいたもので、それでも開花するまでに6年かかりました。