BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

ケーパー(フウチョウボク科)

Capparis spinosa L.

ケーパー

ケーパーは南ヨーロッパ原産の低木で、高さは約1mで茎は横に広がります。普通は葉の基部に刺がありますが、当館で栽植しているのは刺のない変種(var. inermis Turra)です。

花は垂れ下がった枝の葉のつけねに春から夏にかけて咲きます。花の直径は4~5cmの大輪で、4枚の大きな白色花弁と多数の濃紫色の雄しべが束になって美しく、その優美な姿からこの仲間は「風鳥(極楽鳥)草科」とよばれています。この花は一日花で咲いたその日にしぼんでしまいます。

花が咲く前の蕾をつんでピクルスにしたものをケーパーあるいはカープルとよんで食用にします。この蕾にはカラシのような辛味成分を含み、肉や魚料理に添えられます。スモークサーモンの付け合わせのあの丸いピクルスがケーパーです。また、若い果実も酢漬けにして食べます。

フランスでは蕾を採る目的で栽培され、その収穫は1本の木で30年間も続けられるそうです。当館のケーパーも1965年にスペインの植物園より種子を導入したもので、30年以上咲き続けています。