BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

タコイモ(サトイモ科)

Remusatia vivipara (Roxb.) Schott

タコイモ

今月は、目新しい花が全くないので、とうとう花をつけていない植物の紹介です。タコイモは西アフリカからオーストラリアの熱帯地域にかけて、広く分布する多年草です。属名はフランス人の中国学者ジャン=ピエール・アベル=レミュザ(Jean-Pierre Abel-Rémusat、1788-1832)にちなみ、種小名viviparaは英語のviviparyと同じ「胎生の、ムカゴのつく」という意味です。

タコイモはサトイモやクワズイモのような盾形の葉をつけます。夏になると花茎のようなものを根元から上向きに伸ばします。これは花茎ではなく特殊な地上茎です。地下ではないので地下茎ではなく、ストロン(走出茎)と呼ぶには地面に沿って横へ延びるわけではないので、特殊な地上茎と呼ぶほかないようです。秋になり葉が枯れる頃に、地上茎の節に長さ5㎜位の鈎のあるムカゴをつけます。このムカゴが鳥や動物に付着し運ばれることで分布を広げます。このムカゴをはじめ入手したときは、オナモミのようなくっつき虫型の果実だと思いましたが、上記のように無性的に増殖したムカゴなのです。全体写真でも、昨年にこぼれたムカゴから小さな葉が出てきています。棚の下からも、こぼれたムカゴからこっそりと生えてきていますので強い増殖力を持つ植物です。

タコイモの葉はインドやミャンマーなどの南アジアで野菜となります。中国南部では芋(塊根)および全草を、腫脹や打撲に対して外用します。