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![キボウホウヒルムシロ (ケープヒルムシロ)](https://yamashina-botanical.com/GBkJ3u/2020sys/wp-content/uploads/2020/12/キボウホウヒルムシロ-ケープヒルムシロ1.jpg)
冬場となると美しい花の開花を楽しめることは少なくなりますが、キボウホウヒルムシロはこの時期にあって、当館では温室内ではあるものの白い花が見られる数少ない存在です。
この水生植物は、ケープヒルムシロあるいはミズサンザシの別名もある南アフリカ原産のレースソウ科レースソウ属の植物です。ミズサンザシの別名は花の香りがサンザシに似ていることからこのように呼ばれています。ちなみに、ヒルムシロはヒルムシロ科に属する別の水草で、日本にも自生し、蛭が葉の上に乗って休む筵になるということからこのような名前になったそうですが、本当に蛭が這い上がるのでしょうか??
レースソウ科は1属40種ほどが知られていますが、主にアフリカとマダガスカルに分布しています。マダガスカル産のレースソウ(Aponogeton madagascariensis)は長い楕円形の葉が葉脈だけ残して、葉肉が脱落してレース状になるので有名ですが、キボウホウヒルムシロは、そのようなことはなく、秋から翌年の春先まで写真のような花を次々咲かせます。そのためか比較的よく栽培される植物で、日本でも植物園などで見ることができます。
寒さには強い植物で戸外でも越冬できますが、暑さには比較的弱く、暑い夏場は休眠してしまうこともあります。
南アフリカでは、この植物をCape asparagusと呼び、若い花序をピクルスにしたり、アスパラガスの代用としたりして食べるそうです。