マメイリンゴは高さ20mにもなる高木です。熱帯アメリカおよび西インド諸島を原産とし、熱帯各地で栽培されます。マメイリンゴは従来オトギリソウ科とされてきましたが、新しいAPG分類体系ではオトギリソウ科から独立したテリハボク科(Calophyllaceae)に分類されます。因みにAPG分類体系では、従来のオトギリソウ科(Clusiaceae/Guttiferae)は主に草本からなるオトギリソウ科(Hypericaceae)と、木本からなるフクギ科(Clusiaceae)およびテリハボク科の3つになり、旧オトギリソウ科と新オトギリソウ科は対応するラテン名が異なるのでややこしいことになっています。
マメイリンゴの花は古い枝(温帯植物では前年枝に相当)の枝先近くからやや下に一つ腋生します。直径2cmほどの厚く固い萼が縦に二つに割れて直径4cmほどの花が開きます。花弁は4枚です。
マメイリンゴの果実は直径8~15cmで、中に橙黄色の果肉と長さ5cm、幅3cmほどの扁平で楕円形の種子が数個入っています。果肉は良い香りがあり甘く食用となるというのですが、まだ結実せず味わうことができません。生息地では生食されるほか、ジャムやゼリーなどに加工されます。原産の中央アメリカ各地では薬用とされており、葉や樹皮の煎液を高血圧やマラリア、風邪などに用います。また花を蒸留酒の香りづけに用いたり、精油を得て香料としたりします。