BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

マダム・ゴルゴン(アキカルファ・トリブロイデス)(カリケラ科)

Acicarpha tribuloides Juss.

マダム・ゴルゴン(アキカルファ・トリブロイデス)

双子葉植物のなかで、もっとも進化しているのはキク科ですがキク科に一番近縁と考えられているのがカリケラ科です。カリケラ科は南アメリカの屋台骨であるアンデス山脈が原産地です。

今回紹介するのはカリケラ科のなかで唯一、アンデス山脈の外にまで分布を広げたアキカルファ トリブロイデス (Acicarpha tribuloides) です。この植物の種子は四季に関係なく水分と一定以上の温度があれば発芽します。おそらく日長反応性がないのでしょう。そのうえ鋭い刺をもつ果実 (写真3) には 20~30 個の痩果が入っていて、動物などに付着して遠くまで運ばれ、落下した地点で集団として発芽生育することができます。さらにまた、痩果は一度に発芽せず数ケ月に渡って、だらだらと発芽するため、なんらかの事情で先に発芽した個体が枯死しても次の個体が生長するため一個体の枯死は、集団にはほとんど影響がありません。このような巧妙なシステムをもつのでアキカルファ・トリブロイデスは分布域を広げることができたのでしょう。

ギリシャ神話に頭髪が蛇で見る者を石に変えたという三人姉妹の一人をゴルゴン (Gorgon) といいますが、じつはアキカルファ・トリブロイデスの英名はマダム・ゴルゴン (Madam Gorgon) というのです。インターネットで、その名前の由来を調べましたが分かりませんでした。しかし頭花 (写真2) を見れば閃くものがあります。頭花の小花を蛇になぞらえたのではないでしょうか。あるいは果実 (写真3) の刺を蛇になぞらえたのかもしれません。上記の英名の由来は私の想像ですが、あながち間違いではないでしょう。

写真2
写真3