[※2010年の分類のまま掲載しています。現在のAPG分類体系(APG IV)では、ツツジ科に含まれます]
エパクリス科は31属約400種からなる木本で、ほとんどの種がオーストラリアかニュージランド原産です。当館では1995年以来、エパクリス科の7属十数種にも及ぶ種子を播き続けてきました。しかしながら全く発芽しないか、発芽しても短期間で枯死してしまいました。特に夏の暑さに弱いようで、幼苗が京都・山科で越夏するのは困難なようです。おそろしく栽培が難しい植物群といっても過言ではないと思います(冷温室でも有れば別なんでしょうが)。そこで実生からの育生を諦めて、唯一栽培化されていると思われるエパクリス・ロンギフロラ(Epacris longiflora)を購入して育てることにしました。これがまた、たいへん丈夫で育て易い植物でした。ただ夏の暑さと乾燥には弱いようですから夏は半日陰に置いてやるのがいいでしょう。この植物は花も綺麗で花期も長いので観賞用としては十分楽しめる存在です。ただし一つだけ欠点があります。行儀が悪いのです。写真をご覧になると分かると思いますが、めったやたらとあらぬ方向に枝を伸ばします。花の栽培事典に花後には樹形を整えるために剪定が必要と書いてありましたが、納得しました。