よもやま話

植物調べ

DAY:2021.02.18 | CAT:日常風景

ホームページに投稿しようと園内の開花植物を探していると、そこそこ立派なクリスマスローズを見つけました。ヘレボルス・アトロルーベンス (Helleborus atrorubens Waldst. et Kit.) は、苗が良く売られているレンテンローズやガーデンクリスマスローズと異なり有茎種で、株分けしにくいものです。本来ならば種子を取って次世代を育てないと老化して絶えてしまうところですが、こぼれ種子で勝手に増殖しているようです。

部屋に戻って投稿前の下調べをすると、看板の名前はシノニムで、標準的な名前はヘレボルス・デュメトルム亜種アトロルーベンス (Helleborus dumetorum Waldst. et Kit. ex Willd. subsp. atrorubens (Waldst. et Kit.) Merxm. et Podlech) に変わっていることがわかりました。さらに良く考えれば、「アトロルーベンス」というのは「atro(濃い)」+「rubens(赤い)」という意味なので、赤みがない本種は、アトロルーベンスではなく基準種のヘレボルス・デュメトルム (Helleborus dumetorum Waldst. et Kit. ex Willd.) と同定するのが適当です。

山科植物資料館は薬用植物園なので、薬用でない種類は放置されがちです。見直してみる良い機会になりました。

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