BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

メリキトゥス・ラミフロルス(スミレ科)

Melicytus ramiflorus J.R.Forst. et G.Forst.

メリキトゥス・ラミフロルス

<「木になるスミレ? メリキトゥス・ラミフロルス」><

スミレ科は23属800種という大きな科です。スミレといえば、春に花を咲かせる可憐な草花という感じがあります。スミレ科の中でも最も大きな属はスミレ属(Viola)で、約400種が知られています。パンジー(Viola × wittrockiana Gams )は誰もが知っている花壇の花です。このスミレ属は、温帯の湿潤地を中心に広く分布し、南極大陸を除くすべての大陸に分布しています。

スミレ科は草本のイメージがありますが、23属のうち21属は、木本のみからなる属で、科全体では約500種が木本なのです。その木本スミレの多くは、観賞植物などに利用されていないため、あまり知られていません。メリキトゥス・ラミフロルスはニュージーランドからフィジー、ソロモンにかけて分布し、成長すると高さ10 mにもなる木本です。1cmに満たない緑がかった黄色の花を咲かせ、生育地では紫色の液果を食べることもあります。

当館ではオーストラリアの植物園から種子を導入しました。暖かい地方の原産ですが、かろうじて外で冬越しもできます。早く大きく育てて、「スミレの大木」を見てみたいものです。

花壇のパンジー