ヒスイランはインド東部から東南アジアの高地に広く分布する着生植物です。学名の属名Vandaはサンスクリット語のvandaka(木に着生する、または寄生する植物)に因み、種形容語coeruleaはラテン語で青色を意味します。
ヒスイランは長さ15~20cmの幅が狭く肉厚の葉を互生します。10~12月に茎の先端近くの葉の反対側から花茎を伸ばし、直径10cm程度の花を数個付けます。平面的な花ですが、唇弁は小さく、側花弁はねじれます。花弁には青色の網目模様が入ります。名前の通り青色の花が特徴で、洋ランのバンダの交配親となります。
当館にはヒスイランは2株あります。たいていは3枚目のもう1つの株の写真のような淡い青色なのですが、時々、濃い色の花が咲きます。ラン専門店のカタログを眺めますと、もっと濃い色の系統が知られているようです。
ヒスイランは薬用となり、インドでは葉の汁を下痢、赤痢に用います。また皮膚病に対して外用薬とします。
参考文献
A. K. Nadkarni. Dr. K. M. Nadkarni’s Indian Materia Medica volume one. 1982. p1263. Sangam Books Limited. London.