BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

ノトファグス・モオレイ(3)(ナンキョクブナ科)

Nothofagus moorei (F.Muell.) Krasser

ノトファグス・モオレイ(3)

3度目の登場です(1度目2度目)。2023年に果実を見つけてから2年、ようやく雄と雌の両方の花を見つけました。

雄花は4月の初めに出てきます。一つが1cm程度で大きいので、芽出しのシーズンに気を付けていれば発見は容易です。2024年の4月4日に見つけました。ブナの雄花は総状に短く垂れさがるのに対して、ナンキョクブナの雄花は雄蕊が多数垂れ下がり、カツラやフサザクラの雄花に似ています。

一方の雌花は、見つけるのが難しくて雄花発見からもう1シーズンかかってしまいました。発見は2025年4月7日です。雌花は雄花から1週間ほど遅れて出てくるようです。赤色の新しい葉の葉腋に1~2mmほどの大きさでつきます。ルーペでよく観察すると、2つの柱頭が露出しているのがわかりました。

投稿時点では雄花は脱落して若い果実だけが見られます。2度目の紹介のように夏には果実が実りますがこれまで発芽する種子は得られていません。雄花と雌花の開花タイミングが異なるので1本の木では授粉しにくいのかもしれません。

 雄花
 雌花
2025年4月21日の雌花