今年はたいへんな暖冬で、ここ京都市山科区では降霜やバケツの凍結はあるものの、まだ一度も積雪がありません。そこで、いつにも増して元気なオカノリを紹介します。
オカノリはヨーロッパが原産の一年草です。基準変種はフユアオイMalva verticillata L.で、越冬するのでこの名があります。フユアオイとの違いはオカノリは葉が縮れること(変種名crispaの所以)、オカノリの方が多少葉が多くなることです。和名のオカノリは「陸海苔」で、葉を乾かしたりあぶったりした後に砕いたものや、ゆでて柔らかくしたものが海苔に似るためです。
オカノリの花は葉柄に多数つきます。直径1㎝と小さいながらも淡桃色は美しいものです。葉は広円形で5~7浅裂し細かな鋸歯があります。
葉は上記のように食用、また飼料となります。フユアオイの茎葉、根、花、子実は薬用となり、粘滑性の利尿緩下薬として火傷や外傷、咳嗽などに用います。