BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

オオロベリアソウ(キキョウ科)

Lobelia siphilitica L.

オオロベリアソウ

<かつてはアメリカインディアンが利用した薬草>

日本のサワギキョウと同属で、アメリカ東部に広く分布するオオロベリアソウ(Lobelia siphilitica)は、草丈50~100㎝ほどになるキキョウ科の多年草です。
葉は互生して、不規則な鋸歯を持つ細身の卵形で10cmほどになります。

夏から初秋にかけて、写真のような鮮やかな濃い青色の花をつけます。総状花序になり、花冠は約3㎝。鑑賞用に白花や矮性の園芸品種が作られており、他の種の交配親として利用されています。
鑑賞用としてもよい植物ですが、原産地のアメリカでは、先住民によって鎮咳去痰、抗寄生虫、鼻血の治療、感冒など様々な疾患に利用されていたことが知られています。性病にも効果があると信じられていて、小種名のラテン語の由来となっています(英語のsyphilisは「梅毒」を意味します)。

またサワギキョウと同じく、全草に呼吸中枢を興奮させるロベリンという有毒アルカロイドを含んでいますので、口に入れるのは危険な植物のひとつです。