BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

オオバンガジュツ(ショウガ科)

Boesenbergia rotunda (L.) Mansf.

オオバンガジュツ

オオバンガジュツは中国雲南省南部からインドネシアおよびインドにかけて分布する多年草です。1年中温室内で栽培していますが、12月から5月頃にかけては地上部が完全になくなり休眠してしまいます。草丈は50~60cm、葉は長さ30cm幅10cmの披針形です。オオバンガジュツの含まれるボエセンベルギア属は、バンウコン属(Kaempferia、植物こぼれ話58「バンウコン」など)に近縁ですが、花が花序の上部から咲く所などいくつか異なる点があります。

オオバンガジュツの花は茎の先端につきます。花被片全体は淡いピンクで、唇弁は濃いピンクになり赤い斑点が見られます。たいていの場合、花は葉に隠れているためあまり目立ちません。

オオバンガジュツの地下部は短い塊茎に太い根が数本ついた独特の形状をしています。タイではクラチャイ(Kra Chai、กระชาย)と呼ばれ、スープ料理などに使われます。日本でもまれに販売されています。当館で栽培している個体は、京都市内の輸入食品店で野菜として販売されていたものを購入し、芽吹かせたものです。
タイの市場で売られるオオバンガジュツ (右下)