BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

ミズカンナ(クズウコン科)

Thalia dealbata Fraser

ミズカンナ

ミズカンナは北アメリカ原産で高さ2mを超える大形の多年草です。熱帯に多いクズウコン科の中では、耐寒性が強いことから世界中の池や湿地で観賞用に栽培されます。ここ山科でも屋外で越冬します。和名および英名の「ウォーターカンナ(Water Canna)」は、カンナ(カンナ科)のように長楕円形の葉をもつ直立大形の植物であり、かつ湿地に生息することに由来します。

ミズカンナの花序は茎の先端につきます。花序は円錐状で蝋のようなものに覆われています。一つの苞葉から2個の花をだします。花弁は青紫色です。ミズカンナの花に昆虫が潜り込むと、湾曲した花柱は激鉄のように動作して先端で昆虫を押さえつけます。この花柱が昆虫を押さえつける力はかなり強く、例えば人間が細い棒などで刺激を与えると、花柱に押さえ込まれた棒は簡単には抜けません。このようにして自分の花粉を昆虫に付けると同時に、昆虫が付けてきた別の花の花粉を自分の柱頭に付けるのです。このような花柱の構造はクズウコン科の植物の多くが持つもので、同時に掲載のこぼれ話Vol.95「ソーマトコッカス(タウマトコックス)・ダニエリ」の花も同じように、花に刺激を与えると花柱が飛び出してきます。

ミズカンナの花は夏から秋にかけてずっと咲いていますので、見学にいらっしゃれば(タイミングさえ良ければ)この花柱の動きを見ることができます。

花柱が出る前のミズカンナの花
棒(松の針)を差し込んで花柱が飛び出したミズカンナの花