BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

ヘッジ・ヒソップ(オオバコ科)

Gratiola officinalis L.

ヘッジ・ヒソップ

<かつてヨーロッパで瀉下薬など薬用として使われた植物>

Gratiola officinalisは、南ヨーロッパ原産でスカンジナビアと英国を除く全ヨーロッパや西アジアに分布が見られるオオバコ科の多年生草本です。アメリカ大陸にも導入されています。英語でHedge-Hyssop(ヘッジ・ヒソップ)と呼ばれますが、Hyssop自体はシソ科の香料植物で全く異なる植物ですので代用はできません。

全草に苦味があって、ラテン語の種小名の”officinalis”(薬用)の通り、欧州では中世から黄疸、水腫、脾臓肥大、腸内寄生虫駆除に、また峻下剤や催吐剤など”薬用”として利用されてきました。しかし過剰摂取すると、嘔吐、出血性下痢、内臓出血、腎臓障害や流産などを引き起こし毒性が強く、現在では一部のホメオパシー療法に利用される以外は利用されません。

茎は四角形をしており、根茎から立ち上がって20~50cmほどになります。葉は対生して、柄はなく細い被針形で、縁は細かく鋸歯状になっています。夏から秋にかけて葉腋から花柄を伸ばして、白色あるいは少しピンクがかった写真のような花をつけます。

沼沢の多い草原や、流れのゆるやかな水や川のほとりなどの湿地の日当たりのよい場所を好みます。

この植物には、細胞毒性のあるトリテルペン関連化合物のククルビタシン類をはじめとして、サポニン、リグナン、フラボノイド類など特徴のある化合物が多く含有されていることが知られています。

Gratiola属は北半球の温帯を中心に約20種が知られていますが、日本にも一年草のGratiola japonica(オオアブノメ)が自生しており、Gratiola属はオオアブノメ属と呼ばれています。