トゥルネラ・ウルミフォリアは高さ50~80cmの叢生低木です。メキシコ、西インド諸島、南アメリカが原産ですが、熱帯地域に広く分布します。トゥルネラ科は最近の細胞遺伝学的研究によればマレシェルビア科(2006年6月の花)やトケイソウ科(こぼれ話29)に近縁だと考えられています。
(※APG分類体系ではトケイソウ科に含まれます)
トゥルネラ・ウルミフォリアの花は茎の先端近くに付きます。花柄と葉柄は合着し、葉の途中から花が出ているように見えます。花弁は5枚で雄しべも5つです。マレシェルビアやトケイソウと違い副花冠がないことからこれらとは似ていないように思えましたが、よく観察すると雌しべが3つに分かれているところがそっくりです。トゥルネラ・ウルミフォリアの雌しべは先端が細かく分かれてブラシのようになっています。朝開いて昼頃には閉じてしまう1日花ですが、夏には毎日次々と咲き続けます。
トゥルネラ・ウルミフォリアの果実は朔果で三つに裂開し、中には多数の種子が入っています。種子に付いている半透明のものは仮種皮で、アリがこれを食べるために種子を運ぶことによって散布されると考えられています。温室でも、株元だけでなく思わぬところから発芽してきますが、これもアリが種子を運んでいるからなのかもしれません。