ギロステモンという名前を聞くと、何か恐ろしげな植物を想像しますが実際は情けない木です。2003年の2月12日に種を播いたところ、同月の2月23日に早々と発芽し、しかも同年の12月に花が咲きました。日本の木本で種が発芽して10ケ月で花を咲かせる植物というのは、あまり聞いたことがありません。これは日本には四季、つまり冬があるせいかもしれません。
ギロステモン科の植物はオーストラリアに固有の植物で5属約18種が乾燥地帯に生育しています。この植物群の特徴を調べるため多くの書物に当たってみたところ、以下のことが分かりました。
■園芸植物大事典—– 記載無し
■Dictionary of Gardening—– 記載無し
■世界有用植物事典—– 記載無し
■EDIBLE PLANTS OF THE WORLD—– 記載無し
■世界薬用植物百科事典—– 記載無し
とどのつまりギロステモン科の植物群は園芸種にならず、有用でもなく、食料にもならず、薬用にも使われてない植物群なのです。朝日新聞社発行の”植物の世界”によれば材は細く軟らかで短命な植物であると書かれています。要するに木材にもならないのです。これほど人類と係わりがない植物は珍しいかもしれません。