カエンキセワタは南アフリカ原産で、 2m ほどになる低木です。開花期は 10 月から 12 月で、橙紅色の花を咲かせます。花がちょうど火炎(かえん)のように見えることからこの名がつきました。属名の Leonotis はギリシャ語の leon (ライオンの意)と ous (耳の意)に由来し、花冠がライオンの耳に似ていることにちなんでいます。英名もまた Lion’s ear といいます。確かに花の一つ一つは筒のようになっており、先がライオンの耳に似ています。本の記述によっては Lion’s tail (ライオンのしっぽ)と書かれているものもありますが、細長い花を見ると、むしろこちらの名前のほうが合っているような気がします。みなさんはどう思われるでしょうか?カエンキセワタには白花もあります。白い花が一斉に咲きそろうと、炎のように見える橙紅色の花とは対照的に、冬が近づいていることを感じさせられます。
南アフリカ原産のこの植物は非耐寒性の低木で、日本では暖地なら戸外で越冬できます。当館ではカエンキセワタを戸外で栽培しています。京都は冬の冷え込みが厳しく、氷点下になることもあるため、冬になると枝の多くは先端が寒さで枯れてしまうのですが、春になると枝の根元のほうから芽が出てきます。白花系統の植物は地上部の枝すべてが枯れてしまって、冬が越せないのかと思ったほどですが、土の下の株から新しい芽が出てきて、今年も花を咲かせました。案外丈夫な植物のようです。