[2010年当時の分類のまま掲載しています。現在のAPG分類体系(APG IV)では、Lomandra属はAsparagaceaeクサスギカズラ科(またはキジカクシ科とも呼びます)に分類されます。またススキノキ科もワスレグサ科へ呼び名が変わっています]
<うなぎの「うろ漁」>
日本でうなぎを捕獲する漁法は三つあるそうですが、その一つが「うなぎうろ」を使用する漁法です。御存じの方も多いと思いますが「うなぎうろ」というのは、竹で編んだ1㍍弱の細長い筒です。その筒の奥にうなぎの餌を入れておき、川の中に沈めておくだけという、いってみれば、おそろしく省エネの漁法です。実際にうなぎを捕獲するには、いろいろ難しいこともあるのでしょうが、誰にでもできそうな漁法です。
日本から遠く離れたオーストラリアにアボリジニという原住民が暮らしています。かれらも、うなぎを捕獲して食料としていますが、その漁法が日本の「うなぎうろ漁」とそっくりなのです。ただし竹で編んだ「うろ」でなく、ロマンドラ・ロンギフォリアの葉身で編んだ「うろ」なのです。もっとも英語では「a funnelled basket」で、直訳すれば「筒状の籠」でしょうか。洋の東西・南北を問わず、人間の思いつくことには、たいしてちがいはないのかも知れません。
2010年5月中旬現在、ロマンドラ・ロンギフォリアが当館で初めて花序を上げ始めています。同じススキノキ科のススキノキ属植物(Xanthorrhoea quadrangulata リンク)も3年ぶりに開花を始めました。両者は近くに植わっていますので、ぜひ来館して両者を見較べてください。