BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

スタフィレア・ピンナタ(ミツバウツギ科)

Staphylea pinnata L.

スタフィレア・ピンナタ

スタフィレア・ピンナタはヨーロッパから小アジアにかけて分布する、高さ5mになる潅木です。ミツバウツギ科は北半球の熱帯から温帯に広く分布し、 5属約50種が知られています。日本には、ミツバウツギ(Staphylea bumalda)や奇妙な名前のショウベンノキ(Turpinia ternata)、秋になると赤い果肉から綺麗な黒い種子を覗かせるゴンズイ(Euscaphis japonica)などが分布しています。

スタフィレア・ピンナタの花は新梢の先端につきます。花序は総状で下垂します。蕾は赤みがかります。花の直径は約2cmで咲き始めには花弁の先端にピンク色が残り、徐々に白色になります。花弁は5枚、雄しべは5個で基部が幅広いため重なった雄しべは筒状になり、中央の雌しべを包みます。

スタフィレア・ピンナタとアメリカ原産のスタフィレア・トリフォリア(Staphylea trifolia)の果実は、「ブラダーナット(Bladder nut)」と呼ばれます。食用にもされますが主に鑑賞に用いられます。果実は、英名の通り「膀胱」もしくは「浮き袋」のような形をしているそうです。今回初めて咲いたので、結実が楽しみです。

(2010年7月1日追記)
たくさんの花が咲いたにもかかわらず、結実したのは一つだけでした。確かに、「浮き袋」のような形です。