BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

サルビア・ヒスパニカ(シソ科)

Salvia hispanica L.

サルビア・ヒスパニカ

サルビア・ヒスパニカはメキシコ南部から中央アメリカに分布する 1 年草です。生長は比較的早く、 3 か月で高さ 1m 近くに育ちます。

サルビア・ヒスパニカの花は茎の先端部につきます。花壇によく植えられるサルビア (Salvia splendens) やブルーサルビア (Salvia farinacea) 、日本の山に生えるアキギリ (Salvia glabrescens) など、同じ仲間には綺麗な花をつけるものが多くありますが、これは長さ 1cm 程度の小さな花です。

サルビア・ヒスパニカの果実は直径およそ 1mm のゴマ粒ほどの大きさで、表面につやがあり茶色の特徴的な模様が入っています。この果実を水に入れると表面の多糖が水を含んでふくらみゼリー状の粒々となります。原産地のメキシコでは「チアシード」と呼んでこの粒々のゼリーを好んで飲料とするため、盛んに栽培されます。先月紹介したヒメボウキ (Ocimum canum) の果実も同じようにジュースに入れて吸水させデザートにします。ヒメボウキの方が吸水した粒々が大きいので、食べ物としてはヒメボウキの方が優れているように思います。
サルビア・ヒスパニカの果実
吸水させたサルビア・ヒスパニカの果実