BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

サルマ・ヘンリイ(ウマノスズクサ科)

Saruma henryi Oliv.

サルマ・ヘンリイ


サルマ・ヘンリイは中国の中南部に分布する多年草です。サルマ属は本種1種です。つる性のウマノスズクサ属(Aristolochia)や短い茎で地面を這うカンアオイ属(Asarum)と異なり、立性になります。また、上記2属が花弁を持たない(花弁のように見えるものは萼)のに対して、明瞭な花弁があることも特徴的です。本種も上記2属と同じようにアゲハチョウ類(オナガギフチョウ)の食草となることから、蝶の愛好家には有名で、タカアシサイシン(高脚細辛)という呼び名もあります。中国では「马(馬)蹄香 ma ti xiang」と呼ばれます。

サルマ・ヘンリイの草丈は20~30cm。葉は心形です。花は茎の先端に1つ付きます。花弁は黄色。雄しべは12個、雌しべは6個に分かれます。種子は長さ3mmくらいの卵形です。種子表面には特徴的な横しわがあります。
サルマ・ヘンリイは山野草として栽培されるほかに、中国原産地では薬用となります。根および根茎は鎮痛に、葉は化膿した瘡瘍に用いられます。