BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

サラノキ (サラソウジュ)(フタバガキ科)

Shorea robusta Gaertn.

サラノキ (サラソウジュ)

「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色」と、平家物語に謡われた沙羅双樹とは、フタバガキ科の Shorea robusta Gaertn.f. のことです。

釈迦が亡くなった時、周りに繁っていたので仏教三大聖樹の一つに数えられています。残りの二つはジャケツイバラ科の無憂樹 ( Saraca asoca (Roxb.) De Wilde ) とクワ科の印度菩提樹 ( Ficus religiosa L. ) です。日本でサラソウジュ(沙羅双樹)とかサラノキ(沙羅樹)とよばれているのは、ナツツバキ(Stewartia pseudo-camellia Maxim. ) のことで本物の沙羅双樹ではありません。この本物の沙羅双樹はインドなどの現地では樹高が50メートルを越えるものもあり、ナツツバキとは似ても似つかぬ大木です。似ているのは両種とも花の色が白いということぐらいでしょうか。

沙羅双樹の種子は短命で約2週間で死んでしまいますので、当館ではインドから新鮮な種子を国際宅急便で直送してもらい、受け取り次第、播種して発芽させました。120粒播いて発芽したのは7個でした。この種子の短命さゆえに日本では、なかなか実生をみることができません。ぜひ当館にお越し頂いて沙羅双樹の実生を御覧ください。

写真:サラノキの実生
播種日: 2002年 6月 21日
発芽日:2002年 7月 6日
撮影日: 2002年11月 25日