子供たちに人気のある植物といえば、オジギソウやハエトリグサやテッポウウリなどの”動く植物”が思い浮かびます。今回取り上げたマイハギも動く植物のひとつです。<
30度を超えるような夏の炎天下、この植物をよく見ていると、葉柄についている対生する小さな2枚の葉(側小葉にあたる)が、上下に羽ばたくようにひらひらとゆっくり動いているのが見られます。温度が高いと動くようなので、あまり観察しすぎて熱中症にならないように注意しなければなりません。
また、不思議なことに手をたたいたり大声で、大きな音を出すと、この側小葉がまた同じように動き始めます。特に女性や子供の高い声にはよく反応するようです。舞うように葉が動くことから「舞萩」(マイハギ)と名付けられました。
マイハギは東インド、スリランカ、フィリピンなどが原産のマメ科の小型低木で、茎は直立して、80cm~1.5mほどになり全株に粗毛があります。葉は互生してながい葉柄があり、3出複葉になるのが一般です。頂小葉が特に大きく、長楕円形で長さ4~10cmにもなりますが、2枚の側小葉は小さく、長さ1cmていどです。温度や音声に反応して動くのはこの小さな側小葉です。また大きな頂小葉は温度や音には反応しませんが、夜になると眠るように垂れさがってしまいます。
秋には茎の頂と上部の葉腋から花茎を伸ばし、淡紫色の蝶形花をたくさんつけ、穂状の総状花序になります。果実の豆果は鎌形あるいはまっすぐで5~9個の節があり全体に毛があります。
漢名を舞草といい、日本には嘉永の末年(1854年)頃に渡来したとされています。
また中国では、この植物を接骨草とも呼び、枝葉を服用すると筋骨を強壮にし、リウマチによる骨の痛みを治し、打撲傷や接骨にも効果があるとされています。