水辺に群生し、夏のはじめ頃に茎の一番上部のほうの葉の表面が半分以上白くなるので目を引くのがハンゲショウです。この様が半分お化粧しているようなので「半化粧」、あるいは季節では暦の「半夏生」のころに白くなるのでこの名がついたとされています。葉が半分白いのでカタシログサ(方白草)とも言われます。
朝鮮半島、中国、日本では本州以南の水辺に生え、春に根茎から茎を直立させ草丈80~100cm程度になります。葉はやや長い心臓形で互生し、薄膜のような托葉が葉柄に合着しています。6月から7月頃に茎の頂部から総状花序を出し白い多くの花を付けますが、花穂ははじめは垂れていますが開花するとともに立ち上がってきます。根茎は横に這い、容易に繁殖します。
全草に特有の臭気がありますが、中国では三白草(サンパクソウ)といって開花期に全草を乾燥させて薬用とします。利尿効果や解熱・解毒の効果があるとされ、むくみや脚気、黄疸、できもの、腫れ物などに利用されます。
特有の香りは精油成分によるものですが、ドクダミにも含まれるメチルノニルケトンがその主成分として知られています。
名前が生薬「ハンゲ(半夏)」に似ているので、見学会などではよく間違われますが、半夏の基原植物はサトイモ科のカラスビシャク(Pinellia ternata)ですので、全く異なる植物です。