ハラシューテリア・ヒルスタはインド東部、インドシナ半島から中国南部にかけて分布するつる性の1年生ないしは多年生草本です。かつてはシューテリア属のShuteria hirsuta Bakerとされていました。3つの小葉と青い花は日本にも生息するヤブマメAmphicarpaea edgeworthii Benth.と似ていて、Amphicarpaea linearis Chun et T.C.Chenと名付けられたこともあります。近年、花粉形態による比較と分子系統解析の結果から、ShuteriaでもAmphicarpaeaでもないとして新たにHarashuteiraが設立されました。属名のHaraは植物分類学者の原寛博士に献名されたものです。
ハラシューテリア・ヒルスタは毛におおわれた茎と葉をもちます。葉は3小葉で先端の小葉が大きく長さ5~10cmほど、幅3~6cmほどです。葉腋に総状花序をつけます。花序の長さは5~20cmで、長い花序は下部が分岐します。花は大きさ2cmくらいで全体は白色、旗弁の中心、翼弁と舟弁は青紫色になります。果実は長さ3cm、太さ2mmほどの棒状の莢果です。
ハラシューテリア・ヒルスタは鉢内では短命ですが、地面に着いたつるの途中が根付いたり、種子を飛ばしたりして鉢の外で蔓延り、温室内の雑草と化しています。ヤブマメと違い閉鎖花をつけることはないようです。
参考文献
H. Ohashi and K. Ohashi, 2016. http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_091_suppl_231_249.pdf
K. Ohashi et al., 2017. http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_092_34_43.pdf