本州中部以北、北海道、朝鮮半島、中国、アムール、千島などに分布するつる性の落葉低木。山梨県や北海道の野山では普通に見られます。4月の終わりから5月のはじめ頃に花が咲きます。花は黄白色の釣鐘形で、長い柄があり垂れ下がります。花には雄花と雌花があり、資料によっては雌雄異株と記載されていることもありますが、よく観察してみると同じ枝に雄花も雌花もついていて雌雄同株であることがわかります。雌花の雌しべは、多数集まって球状の花托に並んでいます。開花後、この花托は長く伸長し穂状の果実となります。
果実は秋になると赤く熟し、ブドウの房のように垂れ下がります。この一房は一つの花に由来するものです。一つの房に様々な大きさや色づき具合の果実が混在しているのが特徴です。。この果実を、中国では滋養強壮薬、鎮咳・去痰薬、鎮静薬として用います。果実の皮と果肉が「甘酸っぱく」、種子の中味は「辛く苦く」て、全体に「塩味」がします。つまり、この果実には「酸、甘、苦、辛、鹹」の五味があり、このことから「五味子」とよばれています。
赤く熟した果実をそのまま食べたりジュースにして飲むこともあります。