BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

セイヨウキヅタ(ウコギ科)

Hedera helix L.

セイヨウキヅタ

セイヨウキヅタはヨーロッパから北アフリカに広く分布するつる性の木本です。園芸店で売られていて一般に「アイビー」と呼ばれるものは本種です。

一般にキヅタ属(Hedera)は幼齢期と成熟期が分かれていて、それぞれ幼形枝・葉と成形枝・葉を持ちます。幼形枝は気根を伸ばして他の木や壁面に着生します。成形枝は気根を出さずに普通の樹木のような枝を伸ばします。成形枝の先端に半球形の散形花序を付けます。

2005年末に現在のみぶよもぎ記念館から管理棟へ事務所を移した際に、壁面緑化として4品種のセイヨウキヅタを植えました。この内の1つが昨年(2015年)から開花するようになりました。やはり、白や黄緑の斑が入る品種よりも、緑色の品種の方が生長が旺盛です。セイヨウキヅタの花は、花弁、雄しべが5つで、中央に1つの雌しべがあります。じっくり見ると星形でかわいい形をしていますが、小さく目立たちません。その割に蜜は豊富なようで、天気がよい時には蝶だけでなくミツバチやアシナガバチ、スズメバチなどの蜂類も多く訪れていました。蝶が多く集まるような筒型の花と異なり、ウコギ科やブドウ科の花は平板でシンプルな形が多いので、蜜を吸うのが苦手なアシナガバチやスズメバチもよく集まります。