BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

アリストテリア・チレンシス(ホルトノキ科)

Aristotelia chilensis (Molina) Stuntz

アリストテリア・チレンシス

アリストテリア・チレンシスは南米のチリに分布する常緑の低木または高木です。樹高は5mにもなります。現地名をMaquiといい、その果実が「マキベリーMaqui berry」です。

アリストテリア・チレンシスは対生で長さ4~10cmの光沢がある披針形の葉をつけます。葉には細かな鋸歯があります。若い枝は赤褐色です。花は緑白色で通常3個ずつ枝先近くの葉腋につきます。花の直径は5mmで花弁は5枚です。ホルトノキ属Elaeocarpusの多くが白色から淡紅色の美しい花をつけるのに比べて、このアリストテリア・チレンシスの花は非常に地味です。果実は直径6mm程度で黒く熟します。欧米では葉を鑑賞する目的で栽培されます。葉に白い斑が入る園芸種も知られています。

近年マキベリーを含むサプリメントやドリンクが店頭で見かけられるようになりました。この黒い果実が豊富にアントシアニンを含み、抗酸化作用を期待されるためです。山科植物資料館で開花したのは今回が初めてなので、結実するかはまだわかりません。夏の暑さ(およびそれに伴う乾燥)が苦手のようなので難しいかもしれないと考えています。