キョウチクトウ科に属するアリアケカズラ(Allamanda)属は、ブラジルなどの熱帯アメリカ原産で、12種ほどが知られています。中でもアリアケカズラ(Allamanda cathartica)は、写真のように比較的大きくて鮮やかな黄色の花をつけ、英名ではGolden TrumpetとかCommon Allamandaとか呼ばれ、主として鑑賞用に栽培されます。
半つる性の常緑木本植物で、およそ6mほどに成長します。葉は長さ10cmあまりで、縁は波打ち裏面の主脈にのみ毛をもっており、3枚から4枚が輪生し、ときに2枚が対生することもあります。花は径5から6cmほどの鮮やかな黄色のロート状で、のどの部分が白っぽくなります。19世紀半ばから八重を含むいくつかの園芸品種が作られており、ハワイなどではたくさん栽培されているようですが、日本には明治の末に導入されたことがわかっています。花期は4月から10月頃とされますが低温に弱く10℃以上の気温が必要で、日本では沖縄などで植栽されます。
因みに属名のAllamandaは、種子を採集したスイス人植物学者のF. Allamand(1735頃~1809)に因んで命名されました。
このように鑑賞して美しい植物ですが、ブラジルでは、樹皮の浸出液を浴剤としてひぜんやシラミ駆除に、葉は少量を瀉下薬、あるいは腸内寄生虫の駆除や肝臓炎に、また花と根を脾臓の疾患に用いるとされています。
なお樹液が手につくとかゆくなるので、注意が必要です。