BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

ペペロミア・フレイゼリ(コショウ科)

Peperomia fraseri C.DC.

ペペロミア・フレイゼリ

ペペロミア・フレイゼリはアメリカ中央部のコロンビア、エクアドルが原産の小形の草本です。コショウ科の中では例外的に、写真のようにたいへん綺麗な花を咲かせるので世界中で栽培されています。英語では「Flowering pepper」と呼ばれます。属名「Peperomia」は「コショウに似た」を意味するギリシア語で、種小名「fraseri」は人名に由来します。fraseriをローマ字読みをして「ペペロミア・フラセリ」と呼んだり、人名としての読み方を尊重して「ペペロミア・フレイゼリ」と呼んだりします。

ペペロミア・フレイゼリは通常はロゼット状に心形の葉を叢生します。ハート形の葉に赤い葉柄は可愛らしく、花がない時期でも鑑賞に堪えます。花期になると30~40cmの茎を伸ばし、節毎に対生または輪生する葉を付け、先端に花序をつけます。この花序は多数の側枝を穂状に伸ばしたような複雑な形をしていて、あまりコショウ科らしくありません。しかし1つの側枝だけを見ると、小さな花が多数付いていて以前に紹介したペペロミア・ペルキダと同じ形をしており、コショウ科なのだと思わせます。コショウ科の植物をこのコーナーで紹介する時は、拡大していることが多いので、今回のペペロミア・フレイゼリも拡大してよく観察してみます。すると、1つの花は中央に球形の雌しべがあり、その両脇にはじめ白色でやがて黄色になる雄しべが付いているようです。

ペペロミア・フレイゼリは始めに書いたように鑑賞用に栽培される他には、際だった特徴はありません。日陰に強く、挿し木でよく増えるので室内栽培に向いていますが、低温に弱いのが玉に瑕です。ただし昨今の住宅では、断熱技術が進んで真冬でも室内温度のあまり下がらない部屋が増えてきましたから、もっと広まっても良い植物です。