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![ディオスピロス・ウィテアナ](https://yamashina-botanical.com/GBkJ3u/2020sys/wp-content/uploads/2020/12/ディオスピロス・ウィテアナ1.jpg)
ディオスピロス・ウィテアナは熱帯アフリカの東部および南部から南アフリカの森林に分布する、潅木または中低木です。学名のDiospyrosはギリシア語で「神の穀物」を意味し、whyteanaはスコットランドの植物探検家Alexander Whyteに因みます。カキノキ科(Ebenaceae)については、以前にマメ科のエベヌスで紹介しましたのでこちらをご覧ください。ところで、カキノキ属といえば日本のカキノキ(Diospyros kaki)やゴルフクラブのヘッドに使われたパーシモン(アメリカガキ・Diospyros virginiana)のように温帯の植物であるように連想しますが、大部分の種がディオスピロス・ウィテアナのように熱帯に分布します。
ディオスピロス・ウィテアナは常緑で、ツヤのある葉や枝に細かな毛があるのが特徴です。花は枝の先端に付きます。大きさは直径1cmくらいで、枝葉と同じように細かな毛のある萼に覆われており開花時には白くなります。花弁も白色で釣鐘形です。
うまく授粉すると萼が残って肥大し、果実を包む袋のようになることから、南アフリカでは「Bladder nut」と呼びます(ヨーロッパで普通「Bladder nut」と呼ばれるスタフィレア・ピンナタは2010年5月に紹介しています)。今年は残念ながら結実しないようなので、次回を期待したいところです。果実はあまりおいしくありませんが食用でき、種子は炒ってコーヒーの代用にするそうです。