BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

クズウコン(クズウコン科)

Maranta arundinacea L.

クズウコン

<消化によい良質のでん粉がとれる クズウコン>

熱帯アメリカ原産のクズウコンの白く太い根茎は、多くのでん粉を含み、煮たり焼いたり、でん粉をとるなどして食用にされます。このでん粉はアロールート(Arrowroot)でん粉といい、良質で、ビスケットやケーキ、幼児食に用いられます。アロールートでん粉は高価ですが、ジャガイモ澱粉などに比べると、粒子が小さく、消化によいといわれています。

クズウコンという和名は、ウコンのような根茎があり、葛(くず)の根のようにでん粉が採れることからきています。アロールートという英名は、この植物の根を、かつて矢毒の治療薬として利用したことに由来しています。また、根茎が尖った矢じりに似ていることから、この名がついたという説もあります。

クズウコンは、熱帯地域で広く栽培され、日本でも沖縄県の一部で栽培されています。沖縄ではクズウコンを4月に植え付け、1~2月に根茎を収穫します。収穫時には地上部の葉は枯れてなくなります。この根茎は保存性が悪いため、すぐにでん粉を取り出し、保存して料理に利用します。以前は、しばしばこのでん粉が市場に出ることもあったといいますが、最近では栽培する農家も少なくなりました。