山科植物資料館へようこそ
山科植物資料館は1934(昭和9)年に竹藪を借り入れて開墾し、「山科試験農場」としてスタートしました。その目的は、ミブヨモギの栽培、育種を行うことでした。そして、サントニン生産の主力品種となった「山科2号」が開発されました。
1953(昭和28)年にはこの本館が建設され、「山科薬用植物研究所」が開設されました。これによりミブヨモギをさらに遺伝学的観点から研究し、より優良な品種を開発すること、および医薬開発のための植物研究が可能となりました。パキスタンから導入したクラムヨモギの育種、ミブヨモギとクラムヨモギを交配したペンタヨモギ、ヘキサヨモギが開発されました。
1994(平成6)年、「山科植物資料館」と改称し、研究用にこれまで50年以上にわたり収集されてきた世界の有用植物を系統保存する施設となりました。以来、今日までに世界各地から収集した3000種を越す薬用・有用植物を栽植しています。
見学の申し込みについて
- 基本的には、平日(月~金)のみ受け付けております。
- 1 名様から受け付けております。
- ガイドツアー形式でご案内いたします。(自由見学は行えません)
- 午前中または午後の 2 時間程度を見込んでおります。
- 標準的には植物園の紹介に 30 分、園内の案内を 1 時間 30 分で、10~12 時、13~15 時
または 14~16 時になります。 - 開始時刻や案内時間についてはご要望を承ります。
- 申し込みはご希望の日から 1 週間程度前に、お問い合わせフォーム(リンク)またはお電話(075-581-0419)からお申し込みください。予約確認や時間等のすり合わせの必要がございますので、お電話の方がスムーズです。
施設名 | 日本新薬株式会社 山科植物資料館 |
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所在地 | 〒607-8182 京都市山科区大宅坂ノ辻町39番地 (アクセスマップ) |
TEL | 075-581-0419 |
FAX | 075-592-7199 |
ミブヨモギ記念館
当記念館は、日本新薬が大きく飛躍する原動力となった、回虫駆除剤「サントニン」の原植物「ミブヨモギ」に因んで「ミブヨモギ記念館」と名づけられました。館内には、日本新薬の歴史をはじめ当社が展開する活動を紹介しているほか、希少な植物種などを展示しています。
セミナールーム
当社が創業以来今日まで歩んできた、その時々の出来事や発売品目を紹介しています。
ビオトープ
池の水を巡らせて流水域の植物を栽植しています。特に、京都府レッドデータブックに所載の植物を集めています。
大温室
かまぼこ型が特徴的な温室です。熱帯の薬用植物、果樹などの有用植物を展示しています。国内最古級のキソウテンガイもあります。
シダ園
樹木園の下に、ワラビ、ゼンマイ、コモチシダなどの日陰を好むシダ植物を集約しています。
管理棟
職員の事務所です。希少植物の組織培養などの栽培研究を行っています。
第1見本園
ミブヨモギ、クラムヨモギをはじめとする薬用植物を展示しています。日本薬局方に収載される生薬の基原植物を主に集めています。
第2見本園
薬用というよりも、いわゆる健康食品やハーブ、野菜などの食用植物や、繊維、工芸などの有用植物を展示しています。
第3見本園
ダマスクローズ、ミント類など香り豊かなハーブを展示しています。また抗がん剤の原料となるカンレンボク、ポドフィルム、セイヨウイチイ、ニチニチソウをまとめて展示しています。
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1919年(大正8年)
日本新薬株式会社創立
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1927年(昭和2年)
サントニン含有植物の種子を入手
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1934年(昭和9年)
ミブヨモギの品種改良を目的に、「山科試験農場」を開設
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1950年(昭和25年)
サントニン含有植物の種子を入手
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1951年(昭和26年)
クラムヨモギの改良に着手
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1953年(昭和28年)
山科試験農場を改称し、「山科薬用植物研究所」を開設
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1960年(昭和35年)
ミブヨモギとクラムヨモギの交配に成功
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1965年(昭和40年)
海外植物園と種子交換開始
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1974年(昭和49年)
大温室新設
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1985年(昭和60年)
ヨモギの新種「ペンタヨモギ」「ヘキサヨモギ」が植物特許第一号を取得
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1994年(平成6年)
「山科植物資料館」と改称
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2000年(平成12年)
セミナールーム竣工
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2006年(平成18年)
ミブヨモギ記念館竣工
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2017年(平成29年)
公益社団法人日本植物園協会よりアボック・カルタ賞を受賞
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2019年(令和元年)
京都の希少な動植物の保全と再生を推進する「京の生きもの・文化協働プロジェクト」に登録認定
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2019年(令和元年)
ミブヨモギ記念館リニューアル