ウコンイソマツは琉球諸島や台湾に分布する低木です。花が黄色いことから、別名をキバナイソマツとも言います。ウコンの名前は、ウコンの塊茎の色に因むものです(ウコンはスパイスのターメリックとしてカレー粉の黄色の元となったり、沢庵漬の黄色になったりします)。伊豆諸島や小笠原諸島、屋久島以南の南西諸島には花が紅紫色をしたウコンイソマツの変種であるイソマツ(L. wrightii var. arbusculum)が分布します。どちらも、海岸の岩の隙間に生えています。
ウコンイソマツの花序は茎の先端に着き、基部から順に開花します。花弁は5枚です。同じ属で園芸的によく利用されるハナハマサジ(別名「スターチス」)は、萼が発達してドライフラワーにすると綺麗に残りますが、ウコンイソマツの萼はほとんど目立ちません。
ウコンイソマツは薬用(民間で肝臓、腎臓の病気、糖尿病など)および観賞用として採集されることから自生の植物は少なくなり、環境省レッドデータリストの絶滅危惧Ⅱ類(VU)に分類されています。この植物は沖縄の海洋博公園から譲られて保護しているものです。今回初めて開花しましたので、大事に殖やしていきたいものです。