中南米の熱帯地域に分布する、つる性の多年草で葉は先のとがった卵形の3つの小葉からなります。花は赤みがかった黄色で、総状の花序となります。
リンコシア属の種子はロザリービーン(rosary bean)とよばれ、その色が赤や黒で美しいため首飾りや腕輪の材料にされます。特に、リンコシア・ファゼオロイデスの種子は赤黒2色で塗り分けられ、大変美しい。種子の色からこの植物は英語で crab’s eye (カニの目玉)とよばれることもあります。
赤黒2色の種子で装飾にする豆というと熱帯アジア原産のトウアズキ(Abrus precatorius)がよく知られていますが、よく見るとこちらは豆のヘソ(莢に付いていたところ)が黒いところにあります。一方、リンコシア・ファゼオロイデスの種子ではヘソが赤いところにあります。
リンコシア・ファゼオロイデスと近縁のタンキリマメ(R. volubilis)が日本にも分布しています。タンキリマメは種子、果実、葉を薬用とし、去痰作用があるとされ「痰切豆」とよばれます。