BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

グネモンノキ(グネツム科)

Gnetum gnemon L.

グネモンノキ

グネモンノキ(グネツム)はインドのアッサム地方からフィジー諸島にかけて分布する高木で高さ 20m にもなります。カキノキのように大きな楕円形の葉を対生しますが、イチョウやスギ、マツと同じ裸子植物に分類されます。グネツム科が含まれるグネツム目には他にマオウ科、ウェルウィッチア科があり、この 3 科は進化上、被子植物に近い裸子植物であるといわれています。

グネモンノキの花は葉腋につきます。写真の花は雌花序で、つぶつぶ一つ一つが雌花です。雌花の先端から滴が出てきて、ここに雄花から運ばれてきた花粉が付着し受粉します。種子は成熟すると黄やオレンジ色になります。種子にはデンプンが多く含まれており、つぶして油で揚げ煎餅のようにして食べられます。グネツム科の植物は種によって雌雄同株のものと雌雄異株のものと両方がありますが、グネモンノキについては文献によってどちらとも書かれており、本当のところはよく分かりません。当館で栽培の株が雌雄同株であってくれれば雌花だけでなく雄花が咲くでしょうから、いつか種子ができるようになるのが楽しみです。