BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

’ジャマイカ’パパイア(パパイア科)

Carica papaya L.

’ジャマイカ’パパイア

(※掲載当時の2003年10月はCarica jamaicensis Urb.の学名で栽培していましたが、本種はパパイアCarica papaya L.のsynonymと分かりました。ここでは当時のまま掲載します)

パパイアといえば熱帯アメリカ原産の果物ですが、現在は多くの熱帯、亜熱帯地域で栽培されています。学名はCarica papaya L.です。当館で栽培しているパパイア科の植物の学名はCarica jamaicensis Urb.ですが、種形容語に見られるようにジャマイカが原産地です。インターネットで調べたところ、ジャマイカで絶滅危惧種に指定されているようです。それ以外の情報はなにもありません。

2002年の5月下旬に種を播いたところ、約3週間で2個発芽しました。それから1年余りの今年7月、1株に花が咲き雄株と判明しました。8月に入って、もう1株も花が咲いたところ、なんと雌株でした。喜んで雄株の花粉を雌株の柱頭につけると、一晩で花弁を落とし子房が膨らみ始めました。

果物として出回っているパパイアは受粉後、4~5ケ月で成熟して食べることが出来るそうですが、その段で行くと今年の12月から1月にかけて、当館の’ジャマイカ’パパイアも成熟すると考えられます。果たして食べることが出来るかどうか、パパイアと同じような味がするかどうか。これが植物園に勤めている人間の楽しみの一つなのであります。もっとも私は一度も人生においてパパイアというものを食べたことがありませんので、まず、果物屋さんでパパイアを買って食味を知覚することから始めなければなりません。

尚、’ジャマイカ’パパイアという言葉は便宜上、私が名付けただけで、通称ではありませんので、ご了承下さい。
市販のパパイアと’ジャマイカ’パパイア