コレウスといえば、花屋でみかける葉が赤や黄色の鮮やかな観葉植物を思いうかべる方も多いでしょう。このコレウスの仲間には薬草に利用されている種も多くあります。コレウス・バルバツスはインド原産で、現在ではアフリカ東部から、南米にも分布し、日当たりのよい乾燥した斜面に生育しています。高さは 1m から 2m の亜低木になり、太った根茎はピクルスにして食用にします。
この植物はインドの民間療法で、伝統的に消化器系に対して用いられてきました。 1970 年初めにはこの植物からフォルスコリン( forskolin )という成分が単離されました。そして今なお研究されており、血圧降下など様々な効果があることが分かってきました。最近ではこの植物のエキスがサプリメントに使用され、インドでは大規模に栽培されています。
この植物、南米のブラジルへは鑑賞用として輸入され、庭に植えられた植物が帰化しました。現地名ではボルド( Boldo )とよばれ、薬草として利用され、健胃や強壮に用います。ちなみにブラジルでボルドとよばれる薬草には他に Peumus boldus (モニミヤ科)や Vernonia condensata (キク科)があります。南米でボルドという薬草を入手すると、必ずしもコレウス・バルバツスではありませんので、注意してください。