BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

ココニージャ(ナス科)

Solanum stramoniifolium Jacq.

ココニージャ

南アメリカ北部地域原産の多年草で、高さ1m以上にまで生育します。アマゾン川上流部に分布していますが、熱帯雨林の中ではなく川沿いや開墾地など人間の生活に近いところに多く見られます。茎、葉柄、葉脈上に大きな刺があり、植物体全体が細かい毛で覆われています。果実は球形で、熟すとオレンジ色になります。
果実をジュースにしたり、表面の細かい毛を取り除いてから生食したり、料理に使います。果実のジュースはモモとトマトを合わせたような香りがするといわれています。

ココニージャ( Coconilla )はスペイン語の呼び名で、「小さなココナ( Cocona )」という意味です。ココナは同じ南米原産のナス科植物で Solanum sessiliflorum という植物で、同じように果実を食用とします。両種の外部形態は非常によく似ています。

ココニージャは野生植物の利用が多いようですが、ペルーでは希に栽培されるようです。気候や土壌に対して適応力があり、日本で栽培しても大きく育ち、多数の果実をつけました。タイでも食用されていて「マ・ウエック( ma uek )」と呼ばれ、ローカルマーケットで果実が売られていて、主に料理に用います。

ココニージャは栽培の初期段階にあるとされ、栽培化の研究や未利用有用植物資源として注目されています。