山科植物資料館の植物の標本が、連続テレビ小説「らんまん」に登場しました!!
植物学者 牧野富太郎をモデルにした連続テレビ小説「らんまん」がNHKで放送され、全国の植物園で牧野富太郎と彼の命名した数多くの植物たちを紹介するイベントが盛んに行われています。山科植物資料館でも、この偉大な植物学者の物語に協力して、日本では珍しい植物「カンテンイタビ」(愛玉子:アイギョクシまたはオーギョーチの別名)をNHKに提供しました。
「らんまん」第22週は「オーギョーチ」と題されていますが、9月1日(金)の第110回で登場する、台湾産の「オーギョーチ(愛玉子)」の押し葉標本は、当館で栽培している「カンテンイタビ」から作られています。
オーギョーチ(愛玉子)はカンテンイタビの果実から作られた寒天状の食品で、台湾ではよく知られた夏のデザートです。果実を裏返して乾燥して、細かい種子を採り、その種子を布の袋に入れて水の中で揉み出すと、やがて水が寒天状に固まってきます。これが「愛玉子」で、砂糖や香料で味付けして冷やして食べます。寒天状に固まるのは、果肉に含まれるペクチンがゼリー化するためと考えられています。昔から日本でもよく知られていて戦前には夏の清涼食品の一つだったようです。現在では、ノスタルジーから、また、新しいデザート食材として注目されています。果実は甘くて生食もできます。(☛「植物紹介:カンテンイタビ」)
当館では1996年に挿し穂の状態で導入し、今では温室のボイラー室の壁面いっぱいに繁茂するまでになっています。他園では野外で繁茂するほど成長することはないようですが、当館ではボイラー室の壁面ということで、冬場も比較的温度が保たれるのが成長の秘訣かもしれません。
過去に2度ほど結実をみたことがありますが、2018年に温室改修の際に大剪定をして以来ありません。なんとか再度結実させて、「らんまん」の主人公 槙野万太郎が食べていたオーギョーチを作ってみたいものです。
連続テレビ小説「らんまん」について📺
主演:神木隆之介 ヒロイン:浜辺美波 朝ドラ108作目『らんまん』は高知県出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルとしたオリジナルストーリー。 好きなもののため、夢のため、一途に情熱的に突き進んでいく! 春らんまんの明治の世を舞台に、植物学者・槙野万太郎の大冒険をお届けします!! その喜びと発見に満ちた生命力あふれる人生を、美しい草花の情景とともに描き、日本の朝に癒しと感動のひとときをお届けします。 時代は幕末から明治、そして激動の大正・昭和へ ― そんな混乱の時代の渦中で、愛する植物のために一途に情熱的に突き進んだ主人公・槙野万太郎(神木隆之介)と その妻・寿恵子(浜辺美波)の波乱万丈な生涯を描きます。
参考:らんまん – NHK