シレンゲ(刺蓮花)科の植物を育てた経験のある人は多分こう思ったことでしょう。”二度とこんな植物は育てないぞ!” あるいは又、 “痛くない種はないのか?”そうなんです。シレンゲ科の植物はとても痛いのです。写真を見て下さい。植物体中が刺だらけなのです。花弁から萼から葉から茎から果実まで刺だらけなのです。図鑑には毛と書いてありますが、そんな生やさしいものではありません。一見すると小さく細いので、柔らかく見えるのですが、触れると激しい痛みを感じます。”美しいバラには刺がある”といいますが、バラにはさすがに花弁には刺がありません。シレンゲ科の植物以外に花弁に刺がある植物が他にもあるでしょうか。私はまだ見たことがありません。この植物を植え替える時は専用の革手袋が必要で、素手ではとてもできません。念のために一つだけ付け加えますと根には刺がありません。
シレンゲ科の中にフィッセニア・カペンシス(Fissenia capensis)という種があります。この植物はシレンゲ科のほかの種と違って、毛に触れても刺さらず痛くないそうです。この植物の種子を、ぜひ手に入れたいと思っています。