熱帯アジア、アフリカ、南米に分布する耐寒性のない水生の多年草です。水辺に繁茂し、オジギソウ(Mimosa pudica)のように刺激すると葉を閉じることから「ミズオジギソウ」と呼ばれています。葉は羽状の複葉で、花は黄色で夏に頭状の花序をつくります。葉や花はオジギソウに似ていますが、ミズオジギソウにはトゲが無く、その花は写真のように黄色であることなどでオジギソウと異なります(オジギソウの茎にはトゲがあり、花はピンク色です)。刺激に対する葉の反応は、オジギソウほど敏感ではありません。
この植物は茎をほふくさせて繁茂し、水が多いところでは水面に茎を浮遊させてひろがります。水面の茎には白い海綿状の組織が発達し、それを浮き袋として水に浮かびます。
東南アジア、インド、アフリカでは若芽を野菜として食べますが、タイでは「パッククラチェ」とよび、重要な野菜になっています。市場では白い海綿状の茎に葉をつけて売られているのでよく目立ちます。ミズオジギソウは、葉を食べる野菜としては多量のビタミンAを含むことが知られています。
ミズオジギソウは、別名「カイジンソウ(海神草)」とよばれますが、学名のNeptuniaと同様、ローマ神話の海の神ネプチューンNeptunusに由来します。
タイの市場で売られるミズオジギソウ