BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

ブルニア・ノディフロラ(ブルニア科)

Brunia nodiflora L.

ブルニア・ノディフロラ

南アフリカ共和国のケープ地方は植物の固有種が多いことで有名ですが、その中にブルニア科の植物群があります。ブルニア科の植物は一見するとツツジ科のエリカ属の仲間のように見えますが類縁関係はなさそうです。また、草本のように見えますが完全な木本です(写真上)。ブルニア科は12属70種ほどの小さな科で日本ではほとんど知られていませんが、育てていると愛着が非常に湧いてきます。皆さんも一度育ててみては如何ですか。

<育て方>
【播種】ケープ地方は地中海性気候ですから、植物の生育期は秋から春ですので、種は秋に播きます。南アフリカの種苗店からの指示によれば昼温が25℃前後で夜温が8℃前後の頃が一番いいそうです。そのような変温が発芽の引き金になるため、一定温度の温室では発芽しないそうです。当館で育生している3種のブルニア科植物は3種とも2002年10月7日に播種したところ、3種とも無事に発芽しました。

【発芽】
Berzelia intermedia 2002年11月9日
Nebelia fragarioides 2002年11月12日
Brunia nodiflora 2002年11月20日
発芽までに必要な期間は4週間から6週間ということでしょうか。

【灌水】秋から春の生育期間中はたっぷり水を遣るのがいいでしょう。当館では一日おきに灌水しました。真冬に多量の水を遣るのを心配なさる方もいらっしゃると思いますが、当館の経過観察では12月から1月にかけてが生長のピークのようです。

【栽培】栽培するに当たって一番難しい点は夏季の育生です。ケープ地方は夏にはほとんど雨が降らないので水を遣らなくてもいいかというとそうでもないのです。鉢栽培ですので地植えとは違うと考え、当館では一週間に一度の割合で灌水しました。そうしたところBerzeliaだけが次々と枯死してしまいました。どうもBerzelia属は川辺の湿ったところに生育しているらしく、年中灌水が必要みたいです。ほかの2属は無事に夏を越しました。

この3つのなかでもBrunia nodifloraの葉がふさふさして、なんともなく気持ちいい感じがしますので、一番のおすすめです。
ネベリア・フラガリオイデス (Nebelia fragarioides Kuntze)
ベルゼリア・インテルメディア (Berzelia intermedia Schltdl.)
ベルゼリア・インテルメディアの花