BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

フレシネティア・ムルティフロラ(タコノキ科)

Freycinetia multiflora Merr.

フレシネティア・ムルティフロラ

フィリピン原産の常緑つる性の植物です。沖縄の石垣島や西表島に分布しているツルアダン(Freycinetia formosana)と同じ仲間です。葉は長さ30cm、幅2cmほどで、滑らかで光沢のある濃緑色をしています。葉の縁や裏面の脈状に小さな刺があります。

この仲間は雌雄異株植物で、雄花と雌花が別々の株に咲きます。当館栽植の株は雌株で、写真は雌花です。肉穂状の花序を枝先につけますが、花にはがくも花弁もありません。しかし、花序を包んでいるオレンジ色の苞は大きく、大変目立ちます。

このオレンジ色の苞が美しいため、まれに温室で観賞用として栽培されます。葉、茎や根を織って、マット、バスケット、サンダルなどに加工します。