ジュズサンゴは北アメリカ南部原産ですが、中央アメリカや南アメリカにも分布しています。また、観賞用に栽培されていたものが帰化して、アフリカやアジアの熱帯地方でも野生しています。
秋になると野外でよく目立つ紫色の実をつけるアメリカヤマゴボウと同じヤマゴボウ科に分類される多年草で(※)、高さ60cm程になります。枝先の総状花序に白色や淡紅色の花をつけます。果実は直径5mm程の小さな果実で、輝きのある紅色をしています。数珠のように連ねた紅い珊瑚玉のように見えることから「ジュズサンゴ(数珠珊瑚)」と呼ばれています。その果実が美しいことと、薄暗い場所や湿った場所で生育することにより、観賞用として温室の下草などに使われています。種類によっては写真のように果実が黄色のものもあります。
ジュズサンゴの赤や黄色の果実は、ベタレイン系色素(ヤマゴボウ科、ヒユ科、アカザ科、サボテン科などナデシコ目に限定的に見出される色素)を含んでいます。ジュズサンゴの果実の色素は、ワインや菓子などの食品の着色、織物の染色に利用されています。
(※ 最新のAPG分類体系ではジュズサンゴ科に分類されます)