「小さなグンネラ(グンネラ・ペルペンサ)」
大阪の花博や淡路島の花博そして現在、開催されている浜名湖の花博でグンネラ科のオニブキの大きな葉っぱを御覧になった方はたくさんいらっしゃると思います。オニブキ(Gunnera manicata)は原産地のブラジルでは葉身の幅が2メートルにもなる巨大な草本植物です。オニブキを見て日本の方々はグンネラ科の植物は大きいものだと思っていらっしゃるでしょうが、実は小さなグンネラも存在するのです。それが今日紹介するグンネラ・ペルペンサです。この植物は南アフリカ原産の湿地生の多年生で葉身の幅は大きいものでも十数㎝ぐらいにしかなりません。写真(上)は当館で育生しているオニブキを背景にしたグンネラ・ペルペンサです。その大きさの違いが分かると思います。しかし小さいからといって植物学上の構造は変わりません。ちゃんと花も咲き、種もできました。写真(下)で左側に枝を伸ばしているように見えるのが花穂です。花といっても綺麗な花弁が無いので、あまり見栄えするものではありません。朝日新聞社発行の「植物の世界」によればグンネラ科の植物は‘花序の基部近くに雌花、中央部に両性花、先端部分に雄花をつけることが多いが、雌雄異株もある’と書かれていますのでルーペで観察してみると、確かに先端の花には黄色い花粉が多数付いているので雄花です。しかし肉眼では雄花と雌花の区別は、ほとんどつきません。
グンネラ・ペルペンサの育生は割合に簡単で土壌も特に気にすることはありません。但し、湿地生の植物ですので水を切らすと、あっという間に葉がしおれて枯れてしまいます。なお、グンネラ科の植物は一昔前まではアリノトウグサ科に含まれていましたが最近はグンネラ科として独立させるのが普通のようです。オニブキの前のグンネラ・ペルペンサ