<オーストラリアンローズマリーとも呼ばれるオーストラリア原産の常緑低木>
ウェストリンギア(Westringia)属はシソ科に属していますが、現在までに28種ほどが知られているようです。すべてオーストラリア原産の常緑性の低木です。
その中で、今回取り上げたウェストリンギア・ロスマリニフォルミスは、シドニーのあるオーストラリア東南部のニュー・サウス・ウェールズ州の海岸部に分布しています。樹形や葉や花の形、花のつき方などが、同じシソ科のローズマリー(Rosmarinus officinalis)に似ていることから、オーストラリアンローズマリーともよばれ、学名もそれにちなんで名づけられています。しかし、ローズマリーのような芳香は持っておらず、ハーブとして使われることはないようです。(学名としては、Westringia fruticosa J.E.Smithとして記載されることの方が多いようです。)
当館では秋から冬にかけて、写真のような白い花を見ることができます。シソ科に特徴的な5弁の唇形花を咲かせますが、上唇弁には密毛が生えており、下唇弁はうす紫の斑点に彩られています。また葉には短毛があることからビロードのような風合いに見えることも特徴です。
とても強靭な植物で、海岸部に自生するだけに塩分にも強く、霜などの低温にも耐えて土壌も選ばず、常緑できれいに花をつけることから、自生地では生け垣としても利用されています。
最近では日本でもまれに園芸店で見かけるようになりました。