リュウキュウベンケイは琉球諸島から台湾、東南アジアに分布する多年草です。世界的には広範囲に分布します。しかし日本での野生株は園芸的採集や生息地の開発のために絶滅したと考えられ、環境省のレッドリストでは「野生絶滅 (EW)」と評価されています。
属名を見ると分かるように、園芸植物の「カランコエ」の仲間です。「カランコエ」はマダガスカル特産のカランコエ・ブロスフェルディアナKalanchoe blossfeldiana Poelln.の園芸種、および本種といくつかの種を交配して得られた品種群です。
リュウキュウベンケイの大きさは環境に左右されます。3寸くらいの小型の鉢や大きな鉢でも過密に植えると葉の長さ2、3cmで高さ20㎝くらいになります。7寸以上の鉢に1~3株をゆったりと植えると葉の長さ15~20㎝、高さ1.5mになります。11月に茎の先端から花茎を伸ばし、12~3月に黄色の花を多数つけます。花の直径は2~3㎝で、園芸植物の「カランコエ」と比較しても大きな花です。果実は長さ1cmの楕円形で、中には長さ3mmくらいの細かな種子が入っています。種子はこぼれてよく発芽します。
大きく見ごたえのあるリュウキュウベンケイですが、倒れやすく茎や葉が簡単に折れてしまうのが欠点です。一方倒れたりちぎれたりしても、花茎を切り取っても、しおれずに咲き続ける頑健な面もあります。自生地の沖縄県では、絶滅危惧植物に由来する新しい観賞植物として品種改良が進められています。中国南部では薬用としても知られており、全草をはれもの、できものや火傷、外傷などに用います。